ファンタジーといえども世知辛い『勇者になれなかった俺は渋々就職を決意しました。』
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小説 ライトノベル, 勇者になれなかった俺は渋々就職を決意しました。, 富士見ファンタジア文庫, 小説, 左京潤
やたらと長いタイトルの『勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。 (富士見ファンタジア文庫)』を読んでみた。
主人公のラウルは勇者予備校で主席だったほどの実力であと少しで勇者になれるはずだった…が現実はしがないマジックショップでレジうちのバイトといううらぶれた環境なのだ。
なんでこんな古都になったかというと魔王が倒されてしまって勇者産業? が崩壊してしまったから。それが原因で勇者志望者で資格・経歴なしのラウルは就職活動に苦労したわけで…。
この辺は就職・転職活動したことある人ならかなり共感しちゃうんじゃないかなぁ。それにしても世知辛い (;´Д`)
そこにトップを争った元同級生が客としてきててさらにやさぐれるらうる。この辺の機微は何となく分かるなぁ…。
…このまま、こうしてレジ金数えながら朽ちてくのかな、俺って(P13)
なんてラウルの台詞はホントに切ない。この小説の導入部はホントに現実の日本の状況を思いっきり反映してて『ラノベでも反映しなくても… (;´Д`)』と思ってしまった。
そんなラウルの日常を買えるきっかけが発生する。やたらと尊大な口調で、最初はクレーマーと勘違いした美少女・フィノが襲来。よくよく話を聞くとバイト希望でぼろぼろになった履歴書持参で内容が
『前職』魔王の世継ぎ、『志望動機』親父が倒されたから
実は人間の敵だった魔人の娘だったりするけど、かなり変わり種ということがストーリーを進めていくことに分かってくる。それに伴って勇者システムの本当の姿も明らかになってくるわけで…。
内容的には勇者と魔王のボーイミーツガールものなんだけど、『勇者』を属性というより産業に見立てて魔王が討たれたら? という視点をもってきたのは面白いなーって思う。ただ、読者層としては結構高めになるのかな?
構成もうまく次につながるようになってるから、人気が出れば続編出そうだなぁ。個人的には続きを読んでみたいな。
【参考リンク】
富士見書房|第23回 ファンタジア大賞

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